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『食中毒』の基礎知識!

食中毒と聞いて、主に夏のイメージがありませんか?確かに、夏の高温多湿な環境が細菌の繁殖に絶好の条件となっていることは、前回の[お弁当について~中身篇~]でも少し触れましたが、最近では冬の感染も多くみられます。梅雨時、夏だけと油断せずに、一年を通して注意が必要です。今回は、食中毒の種類、特徴、予防方法などまとめていきたいと思います。

 

【食中毒とは?】

食中毒とは、有害な微生物や化学物質を含む飲食物を口にした時に生じる健康被害のことを言います。食中毒と聞いて、何となく[傷んだものを食べた→具合が悪い→食中毒]というイメージが多いと思いますが、それだけが原因ではありません。ここでは、意外と多い食中毒の種類、原因を紹介します。

 

【食中毒の種類】

食中毒には毒素型・感染型があります。

〇毒素型

食品中で大量に細菌が増殖し、その毒素を摂取すること。ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌、O-157(腸管出血性大腸炎)、ウェルシュ菌など。

〇感染型

細菌が体内で増えて食中毒を起こすこと。サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなど。

 

【食中毒の原因】

流行る時期や原因菌も様々にあります。

細菌性食中毒

細菌に汚染された飲食物が原因。高温多湿な夏が主流。ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌など。

ウィルス性食中毒

ウィルスに汚染された飲食物が原因。冬に流行することが多い。ノロウィルス、アデノウィルスなど。

寄生虫感染

魚介類、肉類に元々潜む寄生虫が原因。ヒラメに寄生するクドアや鯖に寄生するアニサキスなど。

自然毒中毒

自然界に存在する毒素が原因。特にキノコ毒やフグ毒が多く、キノコ毒は9、10月(秋)に発生しやすい。

キノコでは、ベニテングタケやツキヨタケなどがある。フグ毒は、卵巣、肝臓などに毒が存在する。

 

それぞれの細菌、ウィルスの特徴や潜伏期間、それによって伴う症状は様々です。以下では代表的なものをいくつか紹介します。

 

ボツリヌス菌

原因→缶詰、瓶詰、真空パック食品など

特徴→・土壌中や動物の腸管など広く生息

   ・酸素のないところで増殖する

   ・熱に強い(毒素の無害化は80℃で30分加熱)

症状→・吐き気、神経症状(呼吸困難など)、筋力低下

予防→・容器が膨張しているものは食べない

   ・低温保存と十分な加熱

◎酸素のないところで増殖するので、真空パック食品などが原因食品なのは納得できますね。症状に腹痛がないのも特徴です。(個人差があります)また、幼児ボツリヌス菌の原因として[はちみつ]があります。

 

黄色ブドウ球菌

原因→乳製品、卵製品、魚肉練り製品(カマボコ、ちくわなど)

特徴→・人、動物に常在する

   ・毒素(エントロトキシン)を生成する

   ・毒素は100℃で30分加熱しても無毒化されない

症状→吐き気、嘔吐、腹痛、下痢

予防→・手指の洗浄、調理器具の洗浄・殺菌

   ・調理中顔や髪に触れない

   ・低温保存

◎100℃で30分加熱しても無毒化できないので、黄色ブドウ球菌を付けないこと(調理前からの予防)が大事です。

 

サルモネラ菌

原因→卵・卵加工品、食肉の生食

※調理する人の手や調理器具を介して他の食品に菌がつくことにより様々なものが原因に挙げられる

特徴→・動物の腸管や河川、下水道などに広く

     生息

   ・乾燥に強い

症状→嘔吐、腹痛、下痢、発熱

予防→・十分な加熱

   ・手指の洗浄、調理器具の洗浄・殺菌

   ・卵を割ったら直ちに料理し使いきる(割ったまま保存しない)

◎記事[卵について]、でも少し触れたサルモネラ菌です。調理する方は手洗い励行、調理器具もよく洗浄し、熱湯消毒(殺菌)を心がけましょう。

 

ノロウィルス

原因→二枚貝(カキ、蛤など)

   感染者の嘔吐物、糞便

特徴→・10月~4月にかけ集中発生

   ・感染力が強い

   ・食品中では増殖せず、人の腸内で繁殖する(ウィルスは細菌と違い、自分で増殖できず、人など生きた細胞に入ることで増殖する為)

症状→下痢、発熱、腹痛

予防→・手洗い励行

   ・十分な加熱(85~90℃で90秒以上)

   ・感染力が強いので汚染防止(汚染物な                どの処理を徹底)

◎感染した人の糞便からも感染するので、トイレも非常に危険です。トイレから出たら手洗い(消毒)をきちんとしましょう。また、感染力が強いので嘔吐物の処理は使い捨て手袋を二重にする、マスクをするなど徹底し、嘔吐物がついたものも速やかに除去しましょう。次亜塩素ナトリウムによる消毒も効果的です。 

 

O-157(腸管出血性大腸炎)

原因→・加熱不十分な食肉

   ・汚染された食肉やその加工品

   ・感染者の糞便

   ・手指、調理器具を介し、生食する果物や野菜

   

特徴→・毒力の強いベロ毒素を産出する大腸菌

     の一種

   ・初夏~初秋にかけて特に注意

症状→腹痛、下痢

      (症状が出て2週間以内に数%の人が溶血性尿毒症候群]を起こし重篤化することもある)

予防→・十分な加熱

   ・手洗い励行、調理器具の洗浄・殺菌

   ・衛生的な食材の取り扱い

◎こちらもウィルス性のものなので、人から人に感染します。ノロウィルス同様トイレなど、感染者と一緒に使う場所、物(ドアノブなど)はこまめに消毒するなどして気をつけましょう。

 

【まとめ】

細菌、ウィルスにはたくさんの種類があり、それによって引き起こされる症状も対処法も様々です。今回ご紹介させて頂いたのはほんの一部ですが、「十分な加熱と手洗い」の大切さを知っていただけたら、と思います。食中毒の予防三原則【つけない、ふやさない、やっつける】を徹底し、私たち一人一人が適切な対処方法を身に付けることが大切です。

 

◎つけない…手洗い励行、調理器具の洗浄・殺菌で二次被害を防ごう。

◎ふやさない…

10℃以上で菌が繁殖し始めるため低温保存(冷やすこと)で繁殖を食い止めよう。

◎やっつける…

消毒による殺菌や食材をよく加熱することで死滅させ、菌をやっつけよう。

 

今回は以上です(^∞^)