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『繊維』の基礎知識!~科学繊維編~

前回、天然繊維についてお話しましたが、繊維の種類はまだまだたくさんあります。

今回は使い勝手がよく、今やほとんどの衣料に使用されている(であろう)【化学繊維】についてお話していきたいと思います。

 

化学繊維

化学繊維とは、石油や石炭などの原料を化学的技術を用いて合成・加工して作った人工的な繊維のことです。化学繊維は、原料や製造法によって、合成繊維、再生繊維、半合成繊維、無機繊維に区分されます。それぞれを代表する繊維(素材)がありますが、それぞれもまた違う特徴があります。以下ではそれぞれの特徴を簡単にまとめていきたいと思います。

 

1.合成繊維

主に石油から作られる繊維。

ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタンなどがある。

[ナイロン]

・害虫、カビ、薬品に強い

・非常に強く、弾力がある

・シワになりにくい

・吸湿性が低い

・日光やガスにより黄変(きばむ)する

・熱に弱い

[ポリエステル]

・世界で最も生産されている

・絹のような手触り

・凡用性が高く、使い勝手がよい

・乾きが早い

・吸湿性が低い

・静電気が起きやすい

・汚れが落ちにくい

[アクリル]

・軽い

・害虫、カビに強い

・発色性がよく、弾力がある

・縮んで型崩れしにくい

・静電気が起きやすい

・毛玉が付きやすい

[ポリウレタン]

・伸縮性があり(ゴムより強い)、劣化しにくい

・特殊加工し、合成皮革や合成毛皮にも使用

・丈夫

・摩擦に弱い

・変色しやすく、熱に弱い

・吸湿性が低い

・静電気が起きやすい

 

◎合成繊維のメリットは、シワになりにくく、型崩れしにくいことです。なので、シャツやスーツなどに使われます。一方で、天然繊維と比べると吸湿性が少なく、静電気が起きやすくなっています。

 

2.再生繊維

天然繊維を主原料に合成して作られる【植物系】と、ペットボトルやアルミ缶が主原料の【化学系】に分けられる。

繊維を作る工程は、以下でまとめている半合成繊維と似ているが過程や原料を「再生」しているためこう呼ばれる。レーヨン、キュプラ、再生ポリエステルなどがある。

〇植物系

[レーヨン]

・木材パルプを主原料に合成

・染色性が良い

・涼感がある

・吸湿(水)性が高い

・吸湿性が高いため、洗濯時は水を吸水しすぎて、結果シワになりやすく縮みやすい

・耐熱性がある

・静電気が起きにくい

[キュプラ]

・綿花から綿(コットン)を収穫した後に残る、種の回りについた産毛(本来繊維には使われない)が主原料(とても短いので溶かして合成する)

・ドレープ感がある

・絹のような手触り、光沢がある

・静電気が起きにくい

・放湿性がある

・吸湿(水)性が高い

・摩擦に弱く、毛羽立つ

・レーヨンと同じ理由でシワになりやすく、縮みやすい

 

◎植物系は吸湿性が高いため、肌にまとわりつかずに着られるので暑い日に最適です。また、キュプラは吸湿性、放湿性に優れているので、スーツの裏地によく使われます。繊維の強度が低く、取扱が難しいのが難点です。

 

〇化学系

[再生ポリエステル]

・複数種あるポリエステルの内のひとつ

・合成繊維のポリエステルと特徴は似ている

・強度が高い

・軽い

・他の素材を練り込み特殊な性質を持たせることも可能

・原料が安い

・乾燥が早い

・吸湿性が低い

・耐火性が低い

 

◎化学系は原料がペットボトルやアルミ缶と言うこともあり原料が安価で、しかもリサイクルすることで地球にも優しいのが魅了的です。衣服だけでなく、公園のベンチなど人々の役に立つものに生まれ変わります。私たちも進んで、分別や回収に協力しましょう。

 

3.半合成繊維

天然素材(たんぱく質など)と化学物質を合成して作られた繊維のこと。合成繊維と再生繊維の中間的なもの。アセテート、トリアセテート、プロミックスなどがある。

[アセテート]

・木材パルプから抽出したセルロースと酢酸を合成して作られる

・適度な吸湿、放湿、保温性がある

・染色性が良い

・形状記憶効果が高い

・絹のような光沢

・ガスによる変色

・耐熱性低い

・強度が低い

トリアセテートは合成する酢酸の量がアセテートに比べ多いと言う違いだけで、特徴はアセテートとあまり変わらない。

[プロミック]

・動物性たんぱく質(ミルクカゼイン)とアクリロニトリルを合成して作られる

・合成繊維特有のぬめり感がない

・絹のような風合い

・吸湿性が良い

・繊維性が良い

・耐光性がある

・保湿作用があり肌に優しい

・カビが発生しやすい

・熱に弱く、扱いにくい

 

◎半合成繊維は、天然繊維と化学物質を混ぜ合わせて作られたものなので、独特の風合いがあります。プロミックスは原料がたんぱく質なので虫が付きやすそうですが、化学物質と合わせることでデメリットが解消されています。天然繊維だけでは難しいことも合成することで人に便利なように改良できる一方、全てが解消出来る訳ではないので、天然繊維と化学繊維の両方のデメリットがある場合もあります。

 

4.無機繊維

主原料が金属やガラスなど無機質から加工されたもので、耐熱、防音性に優れ耐熱材や防音壁などに使われる。

 

【まとめ】

化学繊維は、シワになりにくい、乾きやすいなどの他、特殊加工によりUVカット、静電気防止効果など生活に便利な機能も付加出来ることや地球環境に優しい取り組みが出来ることが魅了です。しかし、便利な一方で天然繊維と違い化学物質を混ぜるため、痒みや腫れなど肌トラブル(化学繊維アレルギー)が起きることもあります。

衣服は常に私たちの身近にあり、自己表現、自己を守るためなどとても大切なものです。自分にあった繊維(素材)を見分け、賢く使いこなして毎日を快適に過ごしましょう。

 

今回は以上です(^∞^)