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統合失調症の基礎知識

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精神疾患の中で最も入院されている方の割合が多い統合失調症

以前は精神分裂病という名前で治らない病気だといわれていましたが、精神薬の研究が進みその認識も少しずつ変化しています。

医学の進歩に福祉の発達が追い付かずまだまだ環境は整備されていませんが使える制度などは確実に増えてきています。

今回はまず統合失調症とは何かということを書いていきたいと思います。

 

【目次】

 

統合失調症とは?

統合失調症とは、幻覚や妄想などを主症状とする精神疾患で、脳内の神経伝達物質の異常が原因だと考えられています。

発症率は1%で、薬物療法が基本になります。

 

統合失調症の症状は?

統合失調症の症状は大きく分けると「陽性症状」「陰性症状」に分類されます。

それぞれの主な症状は下記の通りになります。

陽性症状

幻覚

幻視や幻聴など実際に起こっていないことを体験する。

妄想

現実とは異なることを信じ込んで、考えを訂正が出来ない。

思考伝播

他人に考えが伝わっていると感じる。

思考奪取

他人に考えを奪われると感じる。

思考吹入

他人の考えを吹き込まれていると感じる。

思考化声

考えていることが声として聞こえてくる

作為体験

誰かに操られていると感じる。

憑依体験

霊に取りつかれていると感じる。

陰性症状

感情鈍麻

感情が乏しく平板化される。

意欲減退

何に対してもやる気がなくなる。

無為自閉

何もせず引きこもってしまう。

連合弛緩

考えがまとまらなくなる。

滅裂志向

考えが支離滅裂になる。

 

統合失調症の種類は?

統合失調症では発祥の仕方や症状、経過などから「破瓜型」「緊張型」「妄想型」人分類されます。

それぞれの特徴は下記のようになります。

破瓜型

思春期での発症が多く、陰性症状が目立つことが特徴です。

緊張型

青年期での発症が多く、急に発病し予後は良好です。

妄想型

 発症年齢が比較的遅く、陽性症状が中心です。

 

統合失調症の経過は?

統合失調症は全員ではありませんが一般的には以下のような経過をたどっていきます。

前兆期

少しずつ症状が出始め不調を感じます。

急性期

陽性症状強く現れ、行動にも影響が出ます。

休憩期

陰性症状が目立ち活動性が低くなります。

回復期

少しずつ症状が安定し回復していきます。

 

統合失調症の治療は?

統合失調症の治療は薬物療法が不可欠ですが、心理療法作業療法社会生活技能訓練などにおいても効果が認められています。

また、病院によってはSST(ソーシャルスキルトレーニング)などが行われているところもあります。

 

統合失調症の方への接し方は?

統合失調症の方が安心して生活をするためには周囲の方の理解や協力がとても大切です。

病気への理解を深めながら、下記の点を理解して接して下さい。

・静かに落ち着いて過ごせる環境を提供する。

・話の内容は否定せず傾聴する。

・本人の意思を尊重し共感を心がける。

・急がずに本人のペースを大切にする。

・一度にたくさんのことは伝えず具体的に話す。

・回復を焦らず温かく見守る。

・誤った行動に対してはきちんと伝える。

 

まとめ

統合失調症は以前から治ることが難しい病気であると認識されていましたが、早期に適切な治療を行うことで回復することが可能です。

しかし統合失調症は再発しやすい病気であるため、独断で通院や服薬を中止することは禁物です。

再発を繰り返していくと病気が慢性化しやすくなってしまうため、回復期以降も再発の兆候を見逃さず、きちんとした服薬管理を行うことが大切です。